クラウドコストを適切に抑える
クラウドの請求額が跳ね上がる原因は、ひとつの大きな決断であることは滅多にありません。忘れ去られたリソースがひとつずつ積み重なり、徐々に増えていくのです。
クラウドは何かを始めるのが簡単な反面、稼働させたままであることを忘れがちでもあります。予期せぬ高額請求の多くは、事業の成長が原因ではありません。誰も停止しなかったテスト環境や、誰も読まないログ、とうに過ぎ去ったリリース日に合わせた規模のサーバーが原因です。いくつかの習慣を身につけるだけで、請求額を予測可能な状態に保てます。
予算とアラートを設定する
主要なクラウドプロバイダーはすべて、予算を設定し、利用額が近づいたときにアラートを送信する機能を備えています。利用開始初日に設定し、段階的にいくつかのアラートを設けておきましょう。予算機能は支出を停止するのではなく警告を出すのが一般的なので、実際に対応できる担当者にアラートが届くようにしてください。
すべてにタグを付ける
各リソースに、プロダクト名、環境、所有者のラベルを付けます。タグを付けることで、長くて分かりにくい請求書が読み解けるようになります。本番環境にいくら、ステージング環境にいくら、昨春の実験にいくら、という具合です。タグがなければ、誰もそのリソースの用途を判断できず、誰も削除できなくなってしまいます。
アイドル状態のリソースを整理する
よくある原因は、夜間や週末も稼働しっぱなしの開発環境、サーバー削除後に残されたストレージ、保存期間を過ぎた古いスナップショットやバックアップ、未使用のアドレスやロードバランサーです。本番以外の環境は業務時間外に自動停止するようスケジュールし、毎月アイドル状態のリソースを確認しましょう。
リリース後に適正なサイズに見直す
サーバーやデータベースのスペックは、リリース前の推測に基づいて決められることがよくあります。実際のトラフィックを数週間確認した上で、実際の使用状況を観察してください。キャパシティのごく一部しか使っていない場合は、サイズを1段階下げます。トラフィックが大きく増減した際にも、再度見直しましょう。1日の大半でアクセスが少ない部分には、自動でスケールダウンするマネージドサービスや、使った分だけ課金されるサービスを利用するほうが安くなることがよくあります。
ログとデータ転送量に注意する
ログは1ギガバイトあたりなら安価ですが、大量になると高額になります。デフォルトのまま永久に保存するのではなく、ロググループごとに保存期間を設定し、本番環境では不要なデバッグ出力をオフにしましょう。クラウドからの外部データ転送も、見落としがちなコストの1つです。画像やファイルはCDN経由で配信し、互いに通信するサービスは同じリージョンに配置してください。
利用量が安定してから長期コミットする
プロバイダーは、1年以上の継続利用を約束することで割引を提供しています。安定したワークロードであれば、確実なコスト削減につながります。利用量が落ち着くまで待ってから、ピーク時ではなくベースラインに合わせてコミットしましょう。
毎月30分を確保する
毎月30分の時間をカレンダーに入れ、サービス別やタグ別に請求書を確認しましょう。先月と比較し、増加したものがあれば理由を確認します。毎月見つかる小さな変化なら小さなままで済み、請求額を予測外の事態ではなく計画どおりの状態に保てます。